茨木オランダ屋書店の日記

ある日の朝、店の郵便受けに入っていた紙袋をあけると・・・

前略。七月一日午後七時ごろに貴店で次の四冊を買い求めました。光文社文庫「大東京四谷怪談」講談社現代新書「宝塚戦略」河出文庫「田原安江」そしてこの「女の顔」それぞれ、300円、300円、290円、1000円でした。ところが、店の人が「女の顔」を忘れていたようで代金も934円で私の方も袋に包んでもらった文庫本三冊だけ持って外へ出ました。すぐに店の人が追いかけてきて「女の顔」を忘れていたということで私に渡してくれたのです。その後、歩きながら暫くして気付いたのですが、私はその1000円を払っていません。店の人も私も何か思い違いをしていたのでしょう。私もその後すぐ家に戻りたかったので後戻りしませんでした。「女の顔」は貴店に返そうと思っていたのですが、帰り路ではなく、忙しかったりで立ち戻れませんでした。ようやく早起きしてこれを持って参りました。大変遅れましたが、お返しいたします。因みに、この本はピアノの上に封筒に入れたまま置いておりました。では。

(原文のまま)

心が癒される。いまどき珍しい女の顔。

10月13日

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