古本屋の組織に全国古書籍商協同組合というものが有ります。
日本の古本屋というサイトの 母体になっつているもので全国の古本屋さんの集まりです。
本部は東京にあり全国の3000店くらいのお店が加入していると思います。
所謂昔からある古本さんの組織です。
この組合は単に親睦だけの組織ではなく、古本屋さんの仕入れの場である
古本の市(同業者だけのオークションや入札会)を開いたり、機関紙を持ち
固い結束を誇る今時珍しい団体です。全体を無形文化財にしていただきたい位の古典的な集まりでも有ります。
その組織の下に大阪支部と言うべき、大阪府古書籍商協同組合が有りまして
私共オランダ屋も所属しています。更にその中の茨木、高槻支部の支部員で有ります。
この様に末端までも、毛細血管のように張り巡らされた組織です。
我々に取りましては 血液というべき書籍(古本)がこの中を流通している訳です。
今、時代のニーズというものが変わってきたとか
本離れが進んでいるとか
不況であるとか
さらに、新刊の出版社も不調だとか
さらにリサイクル型の大型店の乱立の影響とかで
全て周りの環境の変化の影響とかで
営業不振 売上 仕入れが落ちている様です。
ちょうど、街の寿司屋さんが、回転寿司に喰われた様に、
街の金物屋さんがホームセンターに、
街のダニが中国マフィアに、
街の銀行がサラ金屋に
ちょっと違ってきましたが、
その様な訳で、古本屋を廃業する人が出てきています。
先日、組合機関紙を読んでいましたら
現役の機関紙部長さんをなさっている本屋さんが、紙上冒頭で
「商売を辞める」
と発言されているのには大変驚きました。
マジ、本音の発言は、ビジネス的な展望に立ったもので、
今の内に辞める方が傷が浅いとの判断でした。
私共の様な、傷だらけで点滴を受けながら
何とか続けている者に取りましては、誠に耳の痛い発言でした。
廃める者、残りたい者ということで...
昔、大阪春場所で近くの宿舎に来ていた若いお相撲さん達の事を何故か思い出しました。
続けたくても廃業しなくてはならない世界。
相撲を辞めたら「タダのデブですよ。おじさん」と涙を流した彼等の姿に
言葉もなく 困ったなとしか言い様がなかった事を。